1. ダイヤミルの魅力

ダイヤミルの魅力

ダイヤミル改の写真

コーヒーを飲み始めると、遅かれ早かれ豆を自分で挽くところに行き着くものです。その時、だいたいが手挽きミルを購入しようと考えて、生活雑貨の店に足を運んだり、インターネットで調べたりしながら情報収集を行います。そこでザッセンハウスの169ミル等に心を動かされる訳です。ところがザッセンハウスミルは上品で洗練されており、手を加える楽しさに欠けるように思います。あるコーヒー店の店員さん曰く、ザッセンハウスは刃の質がよく、絶対におすすめとのことです。確かにザッセンハウスの刃は、切削加工が施されたドリルのようです。しかしあえて無骨な鋳鉄ミルを選ぶ価値は十分にあるのです。ダイヤミルは、あまねく普及している縦回し式手挽きコーヒーミルの代表格です。縦回しの安定感は日々の負担を軽減します。

また、ダイヤミルが、インテリア向きであり実用的でないという評価も多くあるのですが、素人目には十分均質な挽き目を実現しています。さらに、コーヒーミルも内部を分解して清掃するべきツールであることは使いはじめると実感出来ることですが、ダイヤミルはこの清掃の容易さという点でも十分実用的であるといえます。

しかし、このダイヤミルは手を加えてこそ魅力が発揮される「ダイヤの原石」ともいえる存在です。やはり手を加えてやろうという奇特な方にこそ、おすすめします。

ダイヤミルの魅力
各部の説明 写真 写真
ダイヤミルのコーヒー豆を受ける箱は、引き出し式です。赤のダイヤミルはフタの部分が木目で、木の箱ということが判るのですが、黒のダイヤミルは、本体と同じ黒で塗装されているため、この箱が木製なのか、金属製なのか、写真では判断できません。しかし、木製です。取っ手は真鍮だと思います。黒のダイヤミルも、分かりにくいですが、赤と同様に、取っ手の上の部分に、「kalita」の焼き印が押してあります。 ダイヤミルのコーヒー受け ダイヤミルのコーヒー受け
コーヒーの挽き目を調節するダイヤル。ダイヤルも鋳物です。右に回すと、ねじが締め込まれて内部の4枚の臼刃のクリアランスを狭めます。その結果、挽き出される豆が細かくなります。写真の赤い部分は、調節度合いの目印としてクレヨンで着色しています。 ダイヤミルのダイヤル ダイヤミルのダイヤル
ダイヤミルのホッパーは、軸受け部分が、スリーブの打ち込み軸受です。(これを専門用語で何というのやら「嵌め殺し」では無いらしいのですが?)ほどよい堅さ加減で良好です。耐久性も問題無いと思います。 ホッパーの接合部 ホッパーの接合部
ダイヤミルのハンドルは、薄っぺらなものではなく、しっかりとした鋳物の部品です。これだけでも芸術品です。裏側に見える文字は、「JAPAN」のようです。 ハンドルの図 ハンドル裏側の文字
ダイヤミルのホッパーは、フタが完全に開ききるので、内部の掃除が容易です。豆の入れやすさの点でも評価出来ます。ホッパーの底には独自に加工を施した臼刃とシャフトの刃が顔を覗かせています。この刃少々削り過ぎでしょうか。何事もほどほどに。 ホッパーの接合部 ホッパーの接合部
結論としては、細部に至るまで魅力的であり、コーヒーも好きだが、分解整備もなお好きという方にはおすすめの手挽きミルといえるでしょう。