1. 長刀鉾の風景・第二番

長刀鉾の風景・第二番

長刀鉾の紹介です。私は、この歳になるまで祇園祭に来て長刀鉾に上ったことがありませんでした。限られた方々だけしか上ることができないものと決めてかかっていたのです。しかし、そうではなく今年の経験では厄除けちまきなど何か一品購入し、山鉾保存に協力すれば男性に限ってこの長刀鉾に上らせてもらえると知りました。残念なことに女性は上ることができません。しかし伝統を受け継いでいる保存会としての現在の見解ですから、尊重して良いと私は思います。女性が上れる鉾もあるのですが、それぞれのことは、この先の保存会の方々が決めて行かれることでしょう。

あるいてゆこう長刀鉾
長刀鉾の説明 長刀鉾の写真
長刀鉾に限らず祇園祭の山鉾は、建てられてから巡行の朝まで自らの山鉾町にあります。大きい山鉾では隣接する町会所の2階などから山鉾の内部に渡るために「橋がかり」という橋を利用します。 長刀鉾を下から見上げる図 巨大な鉾を支える車輪。
祇園祭のころは天気が不安定で、急な雨降りが何度となくあります。そのため山鉾にも透明の雨除けが掛けられていることが多いのです。それに巡行当日に飾り付ける本番用の懸装品類は室内に展示してあることが多いようです。重要文化財も含めて、長い歴史の中で守り継いで来たものですから、盗難、汚損や天候の問題でも屋外展示には不都合があるのでしょう。しかし一方では、山鉾を飾りつけることが祭のおもてなしですから、幾つもの価値ある本物を保有されているようです。この時間には雨除けなしの飾り付けになっています。 鉾の装飾品類 長刀鉾の収納庫兼展示スペースの2階へ 2階の展示
2階の展示 2階の展示
祇園祭は、100年200年と脈々と受け継がれていくものですから、その装飾品類も代替わりがあるといえます。歴史のある重要文化財も、現在の例えば刺繍の職人さんによって、代替わりの品、襲名品というのでしょうか、決してレプリカではなく本物の代替わり品が作られて、その地位が受け継がれていくのだと思います。これもそういう襲名品のひとつなのでしょう。例えば歌舞伎でも、落語でもそうですが、襲名する人は先代のレプリカではなく本物なのですから。 装飾品新 装飾品旧
鉾の飾りに使う金具だと思いますが、左側は、子供と相談したところツチイナゴとクツワムシではないかということになっています。右側はカマキリとトノサマバッタではないでしょうか。 金具 金具
左側の下はヤブキリの幼虫で、上がトノサマバッタでしょうか。右側は触覚が長いのでキリギリスかもしれません。下は、背中の縞模様と大きさからオオセンチコガネだと思います。 金具 金具
左側の蝶は、相談の結果、羽根にある目玉模様からベニヒカゲでしょうか。その他は蛾?です。右側は、尻尾が太いのでオオシオカラトンボと、触覚の長さからスズムシのオスでしょうか? 金具 金具
左側はウバタマムシとオオハキリバチでしょう。右は、触覚が短いのでトノサマバッタと、下の方は、形状からツユムシでしょうか。 金具 金具
このセミは顔が細くて羽根がとがっているのでツクツクボウシかもしれません。蜂は、一般的なキアシナガバチでしょうか?などと思いつくままに見解を表明してみました。表の長刀鉾に取り付けられている金具は虫仕様ではないものでした。興味深いことです。その他珍しい展示も数多くあります。 金具 着物
歴史的な祇園祭の光景が描かれた掛軸などの展示物。横に収納用と思われる箱が立てかけてあります。この期間だけ見せてもらえる貴重なものです。 掛軸 掛軸
長刀鉾に渡るための橋がかり。乗船の光景のようにも思えます。眼前には市内中心部を先頭切って巡行する重厚な長刀鉾が「停泊」しています。 長刀鉾の橋がかり