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優越感と劣等感

子供は親の保護を受けて安心感を得ながら知識や運動能力を習得し、大人として生活するための能力を培う。学校などで、保護を与える側と受ける側との対応関係にアンバランスが生じると、良くできることがほめられる対象となり、できないことが怒られ、存在を省みられないことにつながる。相対的に他者よりも優越であることが保護される安心感につながり、劣等であることが保護されない不安感につながる。このとき、優越であることの安心感を優越感といい、劣等であることの不安感を劣等感と呼ぶ。この感情は、保護を受けて育つという子供の精神状態を前提としている。

いにしえより無知の知が真理の探究に必要なものであることが指摘されており、また、科学においても実験を通じて失敗の中から、検証を経て真理を探究するという考え方もあるが、現代社会においては、できないことを恐れさせることで、知的探求心を萎縮させる結果を生じている。しかし同時に友達同士が仲良く助けあえる関係をもつことが理想であるとも教えることで、優越感や劣等感を持つことへの罪悪感と自己嫌悪感を生じさせ、学習環境そのものを敬遠する意識を生み出す結果につながっている。

現代社会の見えざる要請として、人が知的探究心を持つことを回避させる力が働いている。分からないことを恐れるという心の傷は、多くの人が生涯にわたって抱えている問題である。

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