1. ものの値段

ものの値段

ものの値段とは、購入対象物と、それに組み合わされたサービスの総量に対して付けられる金額をいう。商品を選択するまでの相談料、送料、設置料、設定費用、引き取り代金、不具合時の対処費用などを考慮して、比較検討すべきものとなる。例えば、「商品選択は事前に自分で行う。設置や設定も自分で行うので価格を引き下げて欲しい」という交渉がありうる。但し、交渉を行うにあたっては、販売者の取り分を考慮して臨む必要がある。相手の取り分がないような価格交渉を追求すると信頼関係が成り立たない。取引を積み重ねることで生まれる信頼関係は、ある意味では「ポイント制度」のように機能する。購入したものが故障した際に、厚意で応急対応を受けられることもある。取引先や担当者の立場を尊重した総合的な判断で、ものの値段を考える必要がある。

また、ものの値段を引き下げて欲しいと思うことがある。例えば、大切な人を集めて懇親会を開くときには、良いホテルで行いたいと願う。しかしその予算がないときはどうだろうか。例えば懇親会の時間を短縮する。料理の品数を抑える。そうした販売原価の低減効果も含めて、ホテルと交渉し、配慮が得られるなら、新しい需要を捉える簡素で凝縮された企画が成立するかもしれない。このようにさまざまな要素が組み合わされて、ものの値段は決定されている。助けられることもあるし、助けることもある。そこには必ず生きていくための協力関係が存在している。