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広辞苑について

広辞苑第四版の図 広辞苑は、その奥付によれば、1955年5月25日に第一版が発行されている日本の代表的な辞書です。岩波書店のウェブサイトによると、それよりも遡る1935年に発行された新村出編『辞苑』を全面的に改訂・増補したものとして広辞苑があるのだそうです。広辞苑の背表紙に記された「新村 出編」を「にいむら しゅっぺん」と勘違いするというわらいばなしもありましたが、正確には当然「しんむら いずる へん」です。私は、1991年に第4版が発行された際に、読者カードだったと思いますが、広辞苑という項を設けられてはどうかというようなことを岩波書店へはがきで送ったように思います。時代が変わって現在では、インターネットを通じて岩波書店のウェブサイトに、この「広辞苑」の項に相当するページがあります。広辞苑は現在第五版まで刊行されています。日本語が生き物として、日々発展、変化していくことを時代の節目節目で、後付けて行かれる偉業として「広辞苑」があり、まさに「広辞苑」プロジェクトといえると思います。

作り手の思い入れとともに、使い手としても使い込む程に思い入れが増していきます。何度も立ち返って深めていくさまは、伝統工芸品を完成させていく職人の作業のプロセスのようです。作り込んでゆくこと、より完全なものを完成させてゆくことの喜びは、辞書をひくという行為に置き換えてみれば、自分自身の知識をより深める。自分を完成させてゆくという成長のプロセスを見るというイメージでしょうか。

パソコンにインストールする広辞苑は、写真があり。鳥が鳴いたり、色もカラーで見本があったりと、より可能性が広がり、便利になっています。しかしこの使い込んでいくという喜びは少し薄まっているように思います。

かつて私は松本清張さん愛用のぼろぼろの広辞苑の写真を見たことがあります。京都では、2006年4月に立命館小学校が開校されます。その押し出しで、授業の中で子供に国語辞典をぼろぼろになるまで使い込ませるような取り組みをされている講師の方の例が紹介されていました。小学校としてそういう方法も取り入れるということです。私は、こうした例を見ても、形ある物を使い込むことが自分自身の成長を実感できるよい方法であると思います。

ところで、一冊の厚さの限界に達しているといわれる広辞苑です。第6版が2分冊化される可能性もあるでしょうし、今後の発展が注目されます。しかし私は、生きた、今の、各人ごとの日本語の解釈などについては、そのテキスト化、表現についてWWW上に、それぞれの立場で公開し、リンクしあうという自由な発展の可能性も追求していくべきであると、考えています。それがこのサイトが提案する自由な電子版レキシコンです。

私は、広辞苑がそれら自由にテキスト化される新しい分野を取り込みながら、常に国語辞書の規範として存在し続けてほしいと思います。

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