1. 定義する

定義する

定義するとは、そのものがどのように動作しているかを明らかにすること。果たしている役割を分析すること。何故そうでなければならないかを理解すること。その扱い方を間違えないようにすること。

例えば電車のパンタグラフとは何か。高速で走っている電化製品に有線電源コードを付ける方法としてのバネ式の接点。蒸気機関車やディーゼル機関車においては給電が必要なければそもそもパンタグラフも必要ではない。電車においてはポイント切換えや信号機、線路の状態を監視するセンサーやモニタなどにも電気が必要だから、全区間の有線電線は必要ではあるものの、電車自体に高性能蓄電池があれば全区間が架線である必要はないから接点としてのパンタグラフの在り方も変化する可能性がある。架線からの給電は、線路からの給電よりも感電や漏電のリスクが少ない。鉄道においては、もともと線路の方が先に存在するものなので、電化したい区間にだけ空中架線するのが合理的でそれを受けとめる仕組みがパンタグラフ。引っ掛かる恐れがある構造なので自重で沈んでオフになり車両より脆くあるべきもの。

このようになぜそうあるべきかの理由を理解するようにしておけば、環境が変化することにより存在理由が変化した際に、あるべき理由の変化をも認識することができる。よって定義とは、自分自身の脳、自分自身の意識が、日々変化してゆく世の中と接続するために、対象物の存在形態を脳内に言語化する作業といえる。