1. アカウント

アカウント

アカウントは英和辞典では、取引、計算、勘定、銀行口座のような意味とされていることから、もともと会計上の考え方であり、お金のやり取りそのものや、取引記録の管理のような意味といえる。例えば銀行に普通預金口座を開設すると、お金の預け入れや引き出し、振込、自動引き落としなどのサービスを利用することができる。そしてそれらの取引記録が管理されていくことになる。インターネットサービスにおいて「アカウント」という場合には、その通信事業者との「取引」を始めることであり、その「取引口座」を開設することを意味している。そしてそこで扱うものは「お金」とは限らず、「情報」や「通信」に拡張されており、「アカウント」を作成することにより、情報や通信ついてのサービスを利用することができるようになる。いわば「アカウント」=「金融と情報の口座」とでもいうべきではないだろうか。例えばAmazonアカウントの場合、アカウント(=金融と情報の口座)を作成すると商品の注文、注文履歴の確認、注文内容の変更、1-Click設定を変更する、Amazonギフト券の残高の確認、Amazon.co.jp情報配信サービスの内容の変更、おすすめ商品、プロフィールの編集、商品レビューの投稿、ほしい物リストの作成ができるとされている。私たちがアマゾンにアカウントを設けるとアマゾンとの取引情報が一貫してアカウントに蓄えられることになる。興味深いことに銀行の普通預金口座の取引履歴は預金者の意思で削除できるものではないように、アマゾンでの購入履歴もまた利用者の意思では削除できないものとなっている。