1. 観察

観察

物事の全体を見渡し、曇りなく見分けること。子細に眺めること。分析的により深く認識することを指す。このとき、何を眺めれば分析的なのだろうか。観察対象物の魅力は何か。その魅力は他と何が異なるか。何を変えればより良いか。それを魅力と感じる人は誰かという観点で分析すればよいと教わった。

例えば私製辞書の魅力は何か。それは自身を省みることに繋がる。辞書の編纂を通じて物事を哲学的に捉えようとする習慣ができる。それは世の中の辞書と何が異なるか。世の中の辞書は、他人の思索を経た成果物であり、すべての人を導く手がかりとなるが、標準的な観点で書かれている。やはり社会には真ん中にいる人、端っこにいる人など様々な立場があるのだから、私製辞書には、自分にしか表現できない答えがあるに違いない。それでは私製辞書の弱点は何か。何を改善するべきか。それは圧倒的に収録語が少なく、内容も稚拙であれば、他の人にとって意味のある水準に達するまでには何十年も掛かってしまうことだろう。それは改善できない弱点に他ならない。もしそれを変えられないとすれば、発想の転換はできないか。不完全な自分が、もがきながら悪あがきをして編纂する私製辞書には、不完全であればこその苦しみや悩みが記録されているのではないだろうか。つまり不完全さが魅力になるのではないか。ならば、そんな私製辞書に魅力を感じる人は誰か。それは、これから達しようとする人方。そういう人方に魅力を感じてもらえるのではないか。それではその人たちにどのように訴求すべきか。SNS。もしくは、路地の奥でひっそりと内容を蓄えておく。誰かの心に響くものがあれば、その人が他の誰かに発信してくれる。生業でないならそれでも良い。生業なら、訴求方法を考えるべきだろう。

つまりこのような観点で観察をすれば、魅力を自覚し、改善点を見いだせる。そして実践せざるを得ない。