1. 子供

子供

子供とは、自ら働かず、生理的欲求充足のために親の保護を受ける人をいう。日本では0歳から20歳くらいまでの人を指す。子供は保護してくれる親のまねをしようとする。それが親に保護されたいという子供の意識が取らせている行動といえるかどうかはわからないが、子供は親の保護を受けて生活し学習をつんで社会に出て行く。現代社会は、分業体制になっており、例えば自分の親が会社で働いている時間に、学校の先生という「別の親」が学習を受け持ってくれている。だからこそ様々な知識を得ることができる。

子供は遊ぶ。子供の遊びとは将来の生理的欲求充足手段を身につけるための行動である。一方、ただ集団欲を満たすだけの行動は、余暇のためのものであり、疲れを癒し、気分転換を図るための休息である。それは現状で事足りる能力を維持するための遊びである。現状維持ではなく自分自身の発展をかけて、若い人は大いに遊ぶことが必要といえる。

ところで保護を受けて遊ぶ子供の段階から、社会に出て働く大人の段階に移行した後にも、保護を受けるための遊びの延長の意識から脱しきれない傾向がある。自分自身の能力を高め、社会的な信頼を重ねることの大切さを忘れかけてしまうことがある。そんなときは論語の学而第一001に立ち返ることをお勧めしたい。

大人にとっては保護を受けることが生理的欲求充足なのではない。自ら社会に働きかけ、社会の役に立つことで糊を得ていることを実感することが必要である。自分自身の能力の不足を知り、その充足に努める意識で臨むことの大切さが論語に繰り返し論じられている。地位や名声は、努力の積み重ねが表面化したものであるときに正当な評価となるが、自身の力が空虚なときには集団欲の充足にただ乗りしているに過ぎず、子供の振る舞いの域を出ないものといえる。それを得ることを喜び、それを失うことを恐れることは、大きな副作用をもたらしている。