1. 頼りにされる

頼りにされる

人は弱小動物であり、生きるためには他者との協力関係を築く必要がある。それぞれが自立した人格でありながら、生きるために足りない部分を補い合うために助けを求められることを頼りにされるという。それは成人として、生きるための協力関係の輪の中で役割を果たすということであり、自ら生きていく要であり、証であり、この道で生きて行けるという安心感を伴うことである。人は赤ちゃんから成長して大人になるまでは、親の保護を受けて育つ。保護を受けることが生きるための要であり、証であり、安心感である。しかし、保護を受けることと、頼りにされることは、同じ安心感の源泉でありながら、本質が異なる。頼りにされるとは、自らが社会で生きるために役割を果たすことであり、その役割が認められることである。そして役割を果たしていることを自覚することである。それは保護を受けるという子供の段階を超えて、生きるための協力関係を築くという大人の段階に至ることであり、その段階にあることを自覚することである。