1. 揚水パイプ

揚水パイプ

揚水パイプ

揚水パイプとは、ポットのお湯をくみ上げるために組み込まれているパイプをいう。ポットのお湯が出にくくなった。ポット上部のポンプ式ボタンを押し下げても、うまく吸い上げない。ゴロゴロというような音。ちょうど、ストローでコップのジュースを飲み切った際の吸い上げ音のようなイメージ。どうするか。ポットを修理できるか。ポットの蓋を開けると、お湯をくみ上げるパイプが刺さっている。そのパイプの差込口にパッキンがある。これを揚水パイプのパッキンという。揚水パイプのパッキンは、日々の掃除で付け外しを繰り返すうちに摩耗して空気漏れを起こし、内瓶の内圧を保てなくなってしまうのです。このパッキンはよく見ると特殊な形状ですが、要はオーリングの一種です。ホームセンターで水道用のパッキンを探して取り付けてみました。形状が合えば、普通のOリングでも修理ができました。大きすぎるとだぶつく感じでうまくいきません。小さいぐらいがちょうどよいようです。今回の取り付けは、ピーコック製のポット。Oリングのサイズは内径7.8mm、太さ1.9mmのものでした。これで劇的に症状改善。しばらく使えそうです。ただし、純正Oリングの形状を見れば気づきます。これはある程度使用すると摩耗するように設計されています。揚水パイプは使用を続けると黄ばんで汚れてきます。定期的に揚水パイプごとの交換を促すことで、ポット本体が堅牢に設計されていても交換パーツの需要でメーカーにいくらかの収入をもたらすことになります。持続可能な経済活動のためには、メーカーへの定期的な需要を生み出す仕掛けも必要だと思います。本当は、こういうふうに各部のパーツをすべて交換可能にして、100年でも使える高品質なポットを売るというビジネスモデルもあってよいと思います。修理や交換の需要こそ持続可能なものだと思います。