1. 菊水鉾の風景・第三番

菊水鉾の風景・第三番

菊水鉾は、細かな彫刻や金箔の加工、錺金具の妙で、間近に見れば重厚さを感じさせる鉾です。また囃子方が乗り込む鉾内部の唐破風屋根の下には周囲に簾が掛かっており、他の鉾に例を見ない趣向となっています。鉾頭、屋根、車軸など主要箇所には十六弁の菊があしらわれています。

あるいてゆこう菊水鉾
菊水鉾の説明 菊水鉾の写真
菊水鉾を南側から見上げます。菊水鉾も前と後ろで破風飾りの彫り物が違うため前後の区別が容易に付きます。巡行風景も観察してみると、今見えている面が前面であり、鉾が鉾町に留まる間は南を前にしていることが分かります。 南面する菊水鉾 重厚さを漂わせる鉾
室町通は道幅が広くないため四条通から少し上がった収蔵庫前の鉾建て場所では窮屈です。そのため少し北に上がって空間の確保された場所に鉾が据えられて来たのでしょう。2009年からは、もう少し北の西側にできたマンション前に据えられるようになりました。マンション二階に新設された会所と橋がかりで連結されるようになりました。 少し広い空間に建てられる菊水鉾 菊水鉾の前懸
真木には彭祖像(ほうそぞう)や、夷像(えびすぞう)が祀られているとされますが見てもよく分かりません。鉾頭の十六弁菊華は、枚数を数えると確かに十六枚の花びらをもっています。 菊水鉾の真木 菊水鉾の鉾頭
2008年までの菊水鉾の外部階段は木製で、雨よけに格子状の屋根を持ち、紅白の提灯で飾られていました。鉾見学者が上り下りする中には女性の姿も見られます。昭和の鉾といわれる菊水鉾を皆川月華氏、山鹿清華氏、皆川泰蔵氏などの作品が飾ります。 菊水鉾の階段 菊水鉾の胴懸
辺りが暗くなると菊水鉾の明かりが鉾を照らし出します。提灯の側が雨を避けて取り外されているために鉾が良く見えます。しかも菊の雫が連想されて、とても良いものです。 菊水鉾の胴懸 明かりの点る菊水鉾