1. SEIKO 5

SEIKO 5

セイコーが開発した機械式時計の動作機構を内蔵し、製品名に「セイコー5」を含む腕時計の一群をいう。

文字盤に「盾に5」の標章を有するものが多い。低価格で実用性の高い機械式時計として幅広い支持を受け、長期間に亘って製造されてきたことによる枯れた技術への信頼性が製品の魅力をさらに高めている。

セイコー5

かつての国産の製品と、現行の海外製の製品が存在し、一部に現行の国産の製品も存在する。海外製の製品で、型番にJの文字を含む中東向けのもので、日付と曜日の表示がアラビア語と英語であり、文字盤に「MADE IN JAPAN」と記されたものが好まれる。

ところで、Jモデルの日付と曜日については、夜の10時30分頃から12時頃に、まず日付が切り替わる。曜日については2か国語の表示に対応しているため、昼の時間帯に英語表示になっている場合は夜の12時35分頃から曜日の表示が動き始めて、深夜1時10分頃に、アラビア語に切り替わり、1時間程のアラビア語表示の状態を経て、2時15分頃から再び曜日の表示が動き始めて、2時50分頃に英語表示へと2段階で切り替わる。このように深夜の時間帯に一時的にアラビア語表示に切り替わるため、アラビアンナイトを想起させて興味深い。

機械式時計は数年毎にオーバーホールが必要になるが、SEIKO 5の多くは海外輸入モデルのためSEIKOの正式な製品保証がない。そのため、どこで整備を受ければ良いか悩むこととなる。しかし整備工賃よりも安価で新しいモデルを購入できるため、歴代使用のモデルを手元に残しながら数年毎に新モデルを購入し直すことも一考である。

いずれにせよ本格的な機械式時計が1万数千円で購入できることは非常に幸運なことであり、仕事や勉強や日常生活の時間の流れが自身の腕に巻かれた時計によって正確に刻まれていくこと、それが高級品ではなく、多くの人が日常使いできるものであることが、実に素晴らしい社会貢献的意味を持つように思われる。子供の入学祝いなどにふさわしい逸品と言えるのではないだろうか。