1. 学歴の壁

学歴の壁

なかば無意識に、卒業大学がどこであるかを話題として、その結果によって人を階層的に意識し、自身の階層の上位性に安心感を得る時、同時に意識される、さらに上位の階層と自身の階層との段差の垂直面を学歴の壁という。学習の動機付けが優越感や劣等感によるものであるとき、得られた学習量の総和の副作用として残る心の傷が原因となって現れるもの。一方で時間の過ごし方は人それぞれであり、自身が投下していない方向に他者が時間を投下して、別の同量の獲得物の総和を有していると考えるとき、社会的に評価されるべき学歴という指標だけで壁の有無を判断していると、人の評価を間違えてしまうことになる。すべての人の獲得物の総和が同量であるとき、時代によって、その価値の高低が論じられるとしても、目に見えている階段上の壁を打ち消し、テトリスの部品のように重なって、その階段の総和を同等にする見えない階段があると捉えておいても良いのではないだろうか。他者とともに自分の値打ちもそれなりにあることを意識した方が気が楽なように思う。