1. 洗髪論

洗髪論

予洗い

洗髪とは文字通り、髪を洗うことである。シャンプーを付けて両手の平を拡げた状態で、髪の毛を撫でるように、かき混ぜるように洗う。このとき、頭皮や地肌は洗う対象ではない。あくまでも髪の毛を洗うことが重要だ。髪の毛には地肌から出る油がべっとりと浸み込んでおり、まずは髪の毛を洗わなければ、翌日に風に吹かれたときに、油臭が残っていることを感じることになる。シャンプーはポンプを押下したときに出る最大量が一回分なのではない。その半分か三分の一の量で一度目の洗髪を行う。一回に使うシャンプーの量を三分の一に減らせば、66%オフでシャンプーを購入したことに等しい。シャンプーを惜しむわけではないが、過度にシャンプを消費する必要はないだろう。

本洗い

一度目のシャンプーが終わると、湯船のお湯を洗面器で汲んで泡をさっと洗い流す。再び、三分の一のシャンプーを手に取って、二度目の洗髪を行う。このとき、一度目とは異なり、指を山登りのアイゼンか、猫のように立てて頭皮を洗う。しかし爪は立てないこと。頭の隅々まで洗っていく。大切なことは、両手を動かすということだ。力を入れて洗おうとするあまり、一方の手を頭にあてがい、片方の手だけで洗ってしまいがちだ。恐らくその方が力を入れて頭を洗うことができるに違いない。しかし常に両手を動かすことを意識する。対称の動きであるか、交互の動きであるかは別にして、とにかく端から端まで、何度も何度も、洗う。両手を動かせばその分、力が弱まり、頭皮へのダメージが少ない。さらには同じ時間で片手よりも二倍、頭を洗うことができる。この地肌を洗うということが洗髪においては欠かせない。しかし、一度目の髪の毛だけを洗うという工程も重要さにおいては同じだ。

すすぎ

次に、すすぎを行う。今度は、お風呂場にシャワーがあれば、シャワーですすぎを行う。私は恥ずかしながら、つい最近まで洗髪は洗面器で湯船のお湯を汲んで流していた。何十年にも亘って、シャワーですすぐという習慣がなかった。しかし、シャンプーという名前の洗剤をきれいに洗い流しておくことが頭皮のお手入れには大切なことだ。毛根を傷めないためにも、すすぎは入念に、きれいな流水(お湯)のかけ流しで行うことにしよう。

リンス

最後にリンス。頭をシャンプーで洗っただけだと油分がなくなりパサつく髪になってしまう。リンスは欠かせない。そしてリンスの後にも、できればシャワーで短時間、洗い流してそして洗髪が終わる。

乾燥

その後はタオルで頭の水分をふき取る。そして仕上げにドライヤーで乾燥させること。私は長らくドライヤーの熱が髪にダメージを与えるように思ってきたので、自然乾燥の方が良いと考えて特にドライヤーを使うことはなかった。しかしドライヤーで乾かす方が髪の毛がふっくらと、さらさらに仕上がる。例えるなら自然乾燥とは、乾麺をゆでるときにかき混ぜないことに似ている。何も混ぜずにおけば麺の束がくっついたままになってしまう。よく混ぜながらゆでる方がばらばらにきれいにゆで上がる。別に自然乾燥でも髪の毛がくっつくことはないが、印象としてはそれほどの違いがあるように思われる。