1. 季氏第十六(429)N

季氏第十六(429)論語ノート

孔子曰。生而知之者。上也。学而知之者。次也。困而学之。又其次也。困而不学。民斯為下矣。

孔子曰く。生まれながらにしてこれを知る者は上なり。学んでこれを知る者は、次なり。困(くる)しみて、これを学ぶは、また其の次なり。困しみて学ばず。民、下となすと斯(き)らんや。

論語には民を蔑むような記述はないと仮定して読み進めたい。陽貨第十七(457)に「君子義以為上」とあり、「君子は義、もって上と為す」と訓じていることを参考にすると、「民は斯(これ)を下と為す。」として、「民はこれをくだらないと考える。」と読むこともできる。この場合に民とは、「広く人々は」という意味に解することもできる。この章は学ぶことを訴えるものと理解したい。