1. 高いと安い

高いと安い

高いとは、人の関与の総量が多いこと。安いとは人の関与の総量が少ないこと。高いとは使える予算をより多く消費することであり、それによりその後の購買力が削がれることを意味する。人はあらゆるものを手頃な価格で購入できることで、総合的に社会と関われるのであり、高いとは可処分所得を失う度合いが増すことを意味する。一方で高いとは、消費者を近づき難く遠ざける効果がある。しかしそれは同時に来るものを絞るかわりに、それでも来るものには関わる密度や責任が増す。もしもこの関係が正比例するのであれば、高いとは関与のまとめ買いであり、関与の単位が不変であれば損も得もない。他方で、安いとは、購入し易いということ。 売り手の関与が少ないものは安い。商取引の各段階で自分の関与分の対価を上乗せして取引していくことで、全ての人の関与の対価は最後の購入者が負担することになる。物価とは、そのようなもの。ただし、いくら上乗せできるかは、経験的な相場と力関係と、新たに付け加える関与の度合いに掛かっている。自分が手に入れたものに何も加えずに、より多くの価格を求めようとすれば、それは売れないという結果を通じて社会的に自分の関与そのものが排除されることになるはず。何故なら自分が関わらなくてもそのものを手に入れることができるから。だから自分の関与が多ければ多いほど必要な対価を求めることができるし、求めなければならない。